大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和31年(あ)2753号 判決 1958年10月24日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人板倉正の上告趣意第一点は共同正犯者中被告人のみが起訴処罰されたのは憲法一四条に違反すると主張するのであるが、所論は原審で主張判断のない事項で不適法であるのみならず、犯情の類似した被告人間の処罰の差異が憲法一四条に違反しないことは、当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第四三五号、同年一〇月六日大法廷判決、集二巻一一号一二七五頁)とするところであって、この趣旨に照し所論は理由がないものといわねばならない。同第二点は単なる法令違反、事実誤認及び量刑不当の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四〇八条、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例